皆さんはイエローカードと聞くと何を思い浮かべますか?
ほとんどの人がサッカーなどでペナルティを取られたときに出てくるカードを連想すると思います。
今回は、外航船員がもつ「イエローカード」について説明していきたいと思います。
イエローカードとは
イエローカードの概要
早速本題に入ってしまいますが、外航船員のもつイエローカードとは予防接種の国際証明書のことです。
これを見せることで特定の疫病に対するワクチンを接種したことが証明できます。
特定の地域に行く場合には入国検疫の際にイエローカードの提示を要求されることがあります。
イエローカードを持ってないがために入国拒否をされたら大変なことになってしまうので、世界各国に訪れる外航船員は必ずイエローカードを取得しています。
イエローカードの対象疫病
現在、イエローカードの対象となる疫病は「黄熱病(yellow fever)」です。
以前はコレラや天然痘なども予防接種の対象に入っていましたが、これらの疫病は根絶することができたので現在は除外されています。
イエローカードの有効期限は昔はワクチン接種から10年間とされていましたが、現在は有効期限は撤廃され、生涯有効となりました。
黄熱病とは
黄熱病の概要
黄熱病は蚊を媒介して感染する感染症で、発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状を伴います。
感染者によっては黄疸が発生することから黄熱病と呼ばれています。
人から人へと直接感染することはありません。
発症した場合の死亡率は30-50%と言われていますが、ワクチンを接種することでほぼ100%黄熱病の発症は防ぐことができます。
黄熱病の危険地域
(引用:Yellow Fever Maps (Centers for Disease Control and Prevention))
現在、黄熱病の感染危険地域として指定されているのはアフリカと中南米の一部です。
日本に住んでいると黄熱病など歴史上の出来事のように感じてしまいますが、現在もまだ根絶には至っていないウイルスです。
イエローカードの今後
イエローカードの対象疫病は世界保健機関(WHO)の決定に基づくため、今後も増減する可能性があります。
日本では全く話題になっていないように感じますが、WHOは先日「船員や航空機のパイロットは世界経済を保つためのエッセンシャルワーカーだからワクチンを優先して接種するべきだ」という声明を発表しました。
WHOは現時点ではワクチン供給量が限られているため、ワクチン接種を入国条件にすべきではないという見解を発表しています。
しかし、近い将来にはコロナの予防接種を入国条件、つまりイエローカードの対象検疫に追加する日がくるかもしれません。
以上が外航船員がもつイエローカードについての説明でした。
外航船員ではなくてもアフリカや中南米の対象地域に旅行に行く場合には、イエローカードを取得する必要があります。
黄熱病もコレラや天然痘のように根絶してほしいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました!