皆さんもご存知の通り、24時間世界中で船舶が動き続けています。
今回は、地球上の様々な船舶の情報が分かる「Marine Traffic」について紹介したいと思います。
Marine Trafficとは
Marine Trafficの概要
Marine Trafficは世界中のありとあらゆる船舶の現在地、動き、目的地やこれまでの航跡などが分かるウェブサイトのことです。
その他にも船が建造された場所や船舶の寸法などの船舶情報も分かります。
MarineTraffic: Global Ship Tracking Intelligence | AIS Marine Traffic
元々はウェブサイトとして展開されてきましたが、現在はスマートフォン用のアプリも存在します。
昔はアプリ版は有料でしたが、現在(2021年4月)は無料で利用可能になっています。
ウェブサイト版もアプリ版も基本的には無料ですが、一部機能を使うためには有料プランに変更する必要があるのでご注意ください。
Marine Trafficの仕組み
Marine Trafficの使い方
基本的にはアプリ版もWebサイト版も使い方は一緒なのでWebサイト版を例にとってMarine Trafficについて簡単な使い方を説明します。
MarineTraffic: Global Ship Tracking Intelligence | AIS Marine Traffic
Marine Trafficのメイン画面
Marine TrafficにアクセスするとGoogle Mapに沢山の船が表示された画面が出ると思います。これがMarine Trafficのメイン画面です。
左側のタブにいくつかアイコンがあるので、それぞれの簡単な説明を載せておきました。
アイコンのデザインだけでも何を示しているものか分かりやすくなっています。
アイコンに青色の南京錠マークがついているものは無料会員登録してログインすることで利用可能になります。
調べたい船があれば「船の検索」アイコンを押して船舶名をアルファベット表記で記入すれば表示されます。
Filter機能
「Filter」のアイコンをクリックすると上の画像で示したような画面が表示されます。
この画面では自分が見たい船種を選択し、地図上に表示することができます。
そもそも地図上には様々な色で船が表示されていますが、それぞれの色は船種で区別されています。
例えば「客船だけが見たい」という人がいれば青色のものだけを残して、他の船のチェックを全て外せば客船だけが表示されたスッキリとした地図に変わります。
画面表示変更
「画面表示変更」のアイコンをクリックすると以下のような画面が表示されます。
ここでは通常の地図のような表示から衛星写真を用いたものまで地図表示を変更することができます。
また、画面下部にはオレンジ色の南京錠マークが存在しますが、これは有料プランのメンバーのみが使用できる機能になっています。
航跡密度
船がよく通る航路が色分けされて表示されます。
船は広い海原を自由に航行しているイメージが強いと思いますが、燃費効率を考えると選ぶ航路は同じようなものばかりになっているということが分かります。
Marine Trafficに映らない船舶がある⁉
実際にMarine Trafficを使用してみると目的の船舶がしっかりと画面上に反映されていない場合があります。
これには次のような理由があります。
AIS搭載義務
先程、多くの船にはAISの搭載義務があると説明しましたが、搭載義務のある船舶は具体的には以下の通りです。
- 300総トン数以上の国際航海する船舶
- 500総トン数以上の非国際航海の船舶
- 国際航海の全旅客船
つまり、これに当てはまらない船舶にはAISが搭載されておらずMarine Trafficにも表示されない可能性があります。
AISを意図的に停止している
実は条件によってはAISを意図的に停止することが許可されています。具体的には以下のケースです。
- 自衛隊の護衛艦、各国の戦艦など職務上船位を公開すると支障がでる場合
- 海賊危険海域(ハイリスクエリア)を航行する場合
- 漁船が漁場を秘密にしたい場合
Marine Trafficを見れば分かるようにAISのデータは誰でも簡単に見ることができます。
そのため、海賊などにそれらのデータが悪用されてしまう恐れがあります。
それを防ぐために上記の場合はAISを停止することが認められているのです。
たまに護衛艦と一般の船舶が衝突する事故が発生しますが、こういった事故が起こる一つの原因としては護衛艦がAISを停止していることがあると考えています。
といっても、昔はAISが搭載されていない状態で全ての船舶が世界中を航行していたことを考えると、しっかりと気を抜かずに見張りを行っていれば防ぐことのできる事故だということは間違いありません。
以上がMarine Trafficについての説明でした。
船にあまり興味がない人も少し触ってみると楽しいと思うので、是非Marine Trafficを利用してみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました!