船に乗っていると陸上ではなかなか見かけない道具や機械を見ることも多いです。
今回はそんな道具の一つとして、
船で使用されている” Personnel Transfer Basket”について説明していきたいと思います!
Personnel Transfer Basket
外観
さて、早速ですが次の写真を見てください。
船に備え付けられているクレーンで網のようなものがぶら下げられています。
魚を獲るための漁具ではありません。
これは一体何に使用する道具か分かりますか?
さらに写真を進めていきましょう!
本船のクレーンを利用して、網のようなものがバンカーバージに降ろされているのが分かると思います。
バンカーについての説明は過去の記事をご覧ください。
実はこの道具は” Personnel Transfer Basket”と言い、
人間を運ぶためのエレベーターのような役割をしています!
使用例
突然エレベーターと言われてもピンとこないと思うので、
実際に使用している写真を見てください!(メーカーパンフレットより引用)
実際に人が網につかまって吊り下げられているのが分かると思います。
このPersonnel Transfer Basketを利用することで船を簡単に行き来することができるわけです。
先程載せたバンカーの例だと、バンカーバージ側のSupplyerが本船に乗船する場合や、
逆に本船の乗組員がバンカーバージに乗り込む場合にPersonnel Transfer Basketを使用しています。
安全性
「こんなただの網のようなものにぶら下がって人が移動するのは危険じゃないのか!」と思う人もいると思います。
乗ってみると以外と安定しているのでそこまで危険ではない(個人的感想)のですが、
それでもまれに落下事故が発生しています。
そのため、船舶管理会社によっては使用を禁止しているところもあると聞いたことがあります。
個人的にはパイロットラダー等と異なり、
自分の力で上に登っていく必要はないので安全だとは思うのですが…。
外航船以外での使用例を考えると、
洋上プラントなどに人が乗り降りする際に使われているケースがあります。
こういった洋上プラントにはヘリポートがあるのでヘリコプターで移動することも可能ですが、
ヘリコプターを使わずに今回説明したPersonnel Transfer Basketを利用して船から移動した方が安価です。
クレーンさえあれば簡単に人を運ぶことができるので他にも使われているケースはあるかもしれませんね。
以上がPersonnel Transfer Basketについての説明でした!
実際はPersonnel Transfer Basketといった正式名ではなく、
クレーンエレベーターとかそれっぽい名前で呼んでいることの方が多いです笑
ここまで読んでいただきありがとうございました!