外航海運船員の船乗り日記

外航船員が船上(ときどき陸上休暇)で送る波乱万丈(?)な日常生活です

フィリピン人のソウルフード⁉️「Lechon:レチョン」とは一体何か

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外航船では基本的に外国人と共に仕事をしています。

今回は、フィリピン人がつくる「レチョン」について説明していきたいと思います。

 

船内での料理

通常、外航船では外国人コック(主にフィリピン人、インドネシア人)が料理を作ってくれています。

実際に船内でどのような食事が提供されているかは以下の記事で紹介していますのでご覧ください。

 


普段は上の記事で紹介したような料理を作ってくれているのですが、イベント事があるときにはまた変わった料理を作ってくれます。

イベント事とは、例えばクリスマス年末年始などのことです。

 

特にフィリピン人はキリスト教を信仰している人が多く、彼らにとってクリスマスは一年の中でも非常に重要な日になります。

 

そのため、入出港などのスケジュールと相談しつつ、クリスマスには船上で盛大なパーティーを行います。

ここで登場するのがフィリピン人のソウルフードレチョン』です。

 

船内でつくるレチョン

 レチョンとは豚の丸焼きのことです。

 クリスマスには、この豚の丸焼きを船内で作ります。

 

その実際の写真がこちらです。

(豚の丸焼きなので苦手な人は閲覧注意です!)

 

 

レチョン

 

まさに期待通りの豚の丸焼きです!

 

レチョンは炭火を使ってじっくりと焼き上げていきます。 

もちろん、原油を運ぶタンカーや天然ガスを運ぶLNG船などの危険物船ではこういったイベントを行うことはできません。

 

レチョンを上手く焼くためには適宜油を表面に塗り足しつつ、ゆっくりと豚を回し続けなければならないため、仕事の合間合間の休み時間を使って交代で豚を回し続けます。

 

また、フィリピン人にとってどれだけ上手くレチョンを焼き上げることができるかには各々の名誉と尊厳がかかっている(?)ようで、レチョンを作るときには並々ならぬ闘志を燃やしています。

 

レチョンの実際の味はどうかというと、とても美味しいです!

日本人好みの味でもあると思うのでフィリピン旅行の際など、機会があれば是非食べてほしい一品です。

 

豚の部位によって少しずつ味や歯ごたえが変化するので色々な部位を食べ比べるのがオススメです!

一緒に船に乗っていたフィリピンからは「一番美味しい部位は後頭部」とオススメされました笑

 

また、説明するのを忘れていましたが、このレチョンは大抵の場合司厨部(Catering)ではなく機関部(Engine)や甲板部(Deck)のメンバーが交替で協力しながら焼き上げています。

 

というのも、Cateringはレチョン以外にも手作りのケーキや肉、魚などをふんだんに使った様々な料理を用意しているからです。

ディナーにはそれらの料理が大量に準備されているので、とても食べきることはできません笑

 

「夕食で食べきれずに残しては勿体ない」と考える人もいるかもしれませんが、残った料理は食堂に置いておき、昼夜を問わずいつでも食べられる状態にしてあるので問題ありません。

 

船乗りは24時間交代で働く必要があるので基本的に食事をとるタイミングも人によってバラバラです。

日本人船員は可能な限り全員で集まって食事をする文化がありますが、外国人船員は全員が集まって一緒にご飯を食べることはないです。

 

これは日本人と外国人との文化の違いなのかなと感じています。

外航船に乗っているとこういった文化の違いも肌で感じることができるので、それは外航船員の楽しみの一つだと思っています。

 

 

以上がフィリピン人のつくるレチョンについての説明でした。

最後は少し話が脱線してしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!