24時間船の上で生活する必要のある外航船員にとって、船内の居室は数少ないプライベート空間として非常に大切なものです。
今回は、船内の居室について説明していきたいと思います。
居室の様子
外航船の船員の居室は外国人クルーも含めて基本的に個室となっています。
(乗組員交替時や実習生が乗っているなど一時的に人が多くなっている場合には個室ではない場合もあります)
昔は相部屋というケースもあったと思いますがが、現在は船員確保という面からも船内居住区を充実させようというのが一般的な流れです。
居室の大きさは乗る船によってバラバラですが、一人で生活する上で狭くて不自由だなと感じたことは一度もありません。
また、役職が上がると部屋のサイズも大きくなっていき、船長、機関長になるとベッドルームとデイルームが分かれた部屋になります。
(船によっては一等航海士、一等機関士から既にベッドルームが分かれていたりします)
居室の設備
シャワー・トイレ
部屋には個人用のトイレとシャワーがついています。
昔の船では外国人クルーは共用のトイレやシャワーを利用しているケースもありましたが、現在では外国人クルーの部屋にも専用の個室トイレとシャワーがついているのが一般的です。
また、船長機関長クラスになるとバスタブが設置されていて、湯船につかることもできます。
(陸上の一人暮らしなどでよくあるユニットバスと同じ形になります)
冷蔵庫
部屋の中には小型の冷蔵庫も設置されているため、ジュースやビールなどを冷やしておくこともできます。
以前の記事でも紹介しましたが、外航船員はお酒類を免税で買うことができる代わりに、入港時にはBond Storeに免税品をしまっておかなければなりません。
そのため、部屋の冷蔵庫にお酒類を忘れていないか注意する必要があります。
空調
船内の空調は一括で管理されているため、自分の部屋の温度だけを調整するということは基本的にはできません。
部屋の天井についているダンパーの開度を調整することで風量を調整することができるのですが、船内の空調バランスが崩れたり、空調機器に大きな負荷を与える可能性もあります。
そういった場合は船内の空調管理を担当している三等機関士などに細かい調整をお願いした方がいいです。
時計
部屋に設置してある時計は、以前別の記事で紹介したMaster Clockの制御を受けています。
そのため、船内時刻が改正された場合自動で部屋の時計も変更されます。
その他
上記以外にも、内線電話、クローゼットやベッド下、ソファ下の収納等が備え付けられています。
また、航行中は夜間外部に光を漏らしてはいけないため、窓につけられているカーテンは非常に遮光性が高いものになっています。
以上が、外航船の居室についての説明でした。
船によって居室は大きく異なるため、今回の例はあくまでもその一例として捉えていただけると幸いです。
いずれにせよ、どんな船でもプライベートを保つ空間はしっかり確保されています。
ここまで読んでいただきありがとうございました!