外航海運船員の船乗り日記

外航船員が船上(ときどき陸上休暇)で送る波乱万丈(?)な日常生活です

半年間食費0⁉ 外航船に乗る船乗りの食事はどうなっているのか

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船内でできる娯楽は陸上と比べて限られているため、

船内の食事というものは船乗りにとって非常に大切なものです。

 

今回は、外航船員が普段食べている食事について説明していきたいと思います。

船内の食事は法律で規定されている

さて、皆さんは月の食費にどれくらいのお金をかけていますか?

そして船員の場合は月の食費がどれくらいかかると思いますか?

 

 

早速回答に入ってしまいますが、実は船員は船に乗っている間食費0円で生活することができます!

というのも、実は船員の食事に関しては船員法という法律で以下のように規定してあるからです。

食料の支給

第80条 船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。

2 前項の規定による食料の支給は、船員が職務に従事する期間又は船員が負傷若しくは疾病のため職務に従事しない期間においては、船舶所有者の費用で行わなければならない。

3 第1項の規定による食料の支給は、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶で総トン数700トン以上のもの又は国土交通省令で定める漁船に乗り組む船員に支給する場合にあつては、国土交通大臣の定める食料表に基づいて行わなければならない。

4 船舶所有者は、その大きさ、航行区域及び航海の態様を勘案して国土交通省令で定める船舶には、第1項の規定による船内における食料の支給を適切に行う能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に該当する者を乗り組ませなければならない。

(引用:船員法|条文|法令リード

 

引用文にアンダーラインで示した通り、「船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。」、そして「船舶所有者の費用」で食料を支給しなければならないと法律に明記してあります。

つまり、もし「食事代」という形で給料から天引きするなどということを行っていた場合、それは法律違反ということになります。

 

基本的にこのブログは外航船についての情報しか記載していませんが、

この船員法というものは当然内航船(日本国内の港で働いている船)についても適用されるものなので、外航船員、内航船員に関わらず乗船中船員の食費は0円です!

 

外航船で提供される食事

無料で食事が提供されるということは分かりましたが、

実際に提供される食事が残飯のようなみすぼらしいものだったら意味がありません。

 

あまり船内の食事を撮る習慣がなかったので数枚しか写真を持っていませんが、船内の食事は次のような感じです。

 

船内の食事

船内の食事

 

私は写真を撮るセンスないのでどんな風に見えているか心配ですが、凄く美味しいですし、ボリューム満点です!

もちろん、船内の食事が美味しいかどうかは同乗している司厨部(Catering)の腕次第です。

 

そして、別の記事で船内の仕事について説明したときにも軽く触れましたが、外航船の船内で料理を作っているのは外国人(主にフィリピン人かインドネシア人)です。

seafarer.hatenablog.com

 

そのため、ときどき「イマイチだなぁ」と思うコックと一緒に乗るときもあります。

 

しかし、日本人の乗る外航船に同乗するコックは皆、料理学校で日本料理の試験(?)に合格した人達であり、基本的には美味しい料理を作ってくれます。

 

また、外国人コックと同乗していると彼らの母国の伝統料理などを作ってくれることもあるので、それはメリットの一つかもしれません。
 

お菓子やお酒等の嗜好品

ここまでで説明した通り、外航船員の食費は基本的に0円です。

では、同じ食べ物飲み物ではありますが、お菓子やお酒等の嗜好品も0円なのでしょうか?

 

これは、流石に個人個人でお金がかかります笑

当然と言われれば当然ですね。

 

 

以上が外航船の食事についての説明でした。

毎日船で仕事を頑張ることができるのはCateringの方が作る食事のおかげでもあると思っているので、これからも食事を作ってくれることに感謝しながら船乗りを続けていきます。