外航海運船員の船乗り日記

外航船員が船上(ときどき陸上休暇)で送る波乱万丈(?)な日常生活です

コロナが海運業界に与える影響:海外貿易の最先端、外航船員への影響

こんにちは、外航船員のCfarerです。

 

コロナウイルスが日常生活を一変させてから一年以上の月日が流れていますが、

今回はコロナウイルスで外航船員の仕事にどのような変化が生じたかについて語っていきたいと思います。

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 コロナウイルスと船乗り

 皆さんは「船とコロナ」と聞くと何を思い浮かべますか?

 

コロナが騒がれ始めた初期によく報道されていたダイヤモンド・プリンセス号のイメージを持っている人は、

船に乗っている人はコロナウイルスを持っている可能性があるから危険だ!

という認識をしているかもしれません。

 

しかし、実は事実はその逆です!

基本的に長期間船に乗っている人がウイルスを持っている可能性は低く、

海上というのは地球上で一番コロナウイルスにかかる心配のない安全な場所といっても過言ではないかもしれません。

 

何故かというと、ウイルスというのは人の体(あるいはなんらかの生物)を媒体として生存し感染を広げているからです。

外航船員は数か月の間、20~30人程の少人数としか接することはなく、新たにウイルスに感染するリスクは極めて低いです。

実際に私は船に乗っている間(約半年間)に何か風邪をひいたり、のどが痛くなったりしたことは一度もありません。

 

では、何故ダイヤモンド・プリンセス号ではあのような事態になったかというと、ダイヤモンド・プリンセス号の場合は客船であり、上陸時や乗船時に不特定多数の人と交流する機会があったことが原因だと考えられます。

 

先程も述べたように一度海の上に出てしまえばウイルスに感染する危険は非常に少ないですが、上陸から帰ってくる時にウイルスを持ち込んでしまった場合には船内全体に感染が広がりパンデミックが発生してしまいます。

 

特に船内にウイルスが持ち込まれた場合にはパンデミックが発生しやすい理由があります。それは、船内の空調は基本的に循環させる仕組みになっていること。そして、普段は海上無菌状態で生活を送っているため、陸で生活しているときと比べて免疫力が低下している可能性があるからです。

 

コロナウイルスによる荷役作業の変化

 ここまでで説明した通り、海の上というのは基本的に無菌状態ですが、万が一ウイルスが持ち込まれた場合には船内でパンデミックが起きてしまい、船の運航に支障をきたす可能性があります。

 

そのため、コロナの影響で船の荷役(にやく)の形は大きく変化しました。

(荷役:貨物の積み下ろし作業のこと。タンカーなら油の輸送、コンテナ船ならコンテナの積み下ろしなど)

 

コロナ以前は通常、船が港に入ると港側の人が乗船し、荷役作業についての確認作業を行ったのちに荷役を行うという流れでした。

しかし、現在は接触型荷役作業が行われています。

 

接触型荷役作業とは名前の通り、船の人間と陸側の人間の接触をできるだけ少なくした荷役方法です!

(必要最低限の人数のみ船に乗船することはあります)

そのため、荷役作業の確認作業をメールのやりとりだけで行ったりします。

 

今までは口頭でやり取りしていた部分がメールでのやり取りとなり、当初は時間が余分にかかってしまうこともありましたが、現在は比較的スムーズにやり取りが行われています。

 

コロナウイルスによる上陸の制限

そして、荷役方法が変わっただけではなく、船員の上陸も現在は制限されています

 

コロナウイルスを持ち込むのを防ぐために当然ではありますが、

上陸というのは船員にとって久しぶりに息抜きができるいい機会であるため、

上陸ができないということはとてもストレスの溜まる出来事です…。

 

世界中でワクチンの投与が始まり、コロナの終結に向けてやっと一歩前進したような状態ですが、一日でも早くコロナが終息し、陸の生活、船の生活が昔のように戻ることを切に願っています。